クレジットカードに付帯する機能で、一般的によく知られているものに海外旅行傷害保険があります。この保険は、海外旅行に行った際に、万が一トラブルにあった場合に補償してもらえるといったものです。
クレジットカードによっては、海外旅行傷害保険が付いていないものもあるので、保険も考慮してクレジットカードを作る際は、保険の有無と補償額を確認する必要があります。
この機能は、年会費が高くグレードが上のクレジットカードほど、サービス内容が充実しています。年会費無料のクレジットカードでも海外旅行傷害保険が付帯しているものがありますが、数はあまり多くありません。
▼ どれくらい補償されるのか?
よくクレジットカードの申込書に付帯する海外旅行傷害保険の補償額は
・最高 1億まで補償
・最高 5,000万円まで補償
・最高 3,000万円まで補償
と記載があると思います。これだけを見ると大抵のことにある程度は対応できそうな気がします。
しかし、肝心の担保内容による記載がありません。クレジットカードの保険で、最高1億まで補償とあっても、すべての担保において最高金額まで補償されるわけではなく、担保項目により補償される最高額が異なってきます。
DCカードを例にとると以下のようになります。
▼ DCカードの保険内容
担保項目 |
傷 害 |
疾病治療費用 |
携行品損害※ |
救援者費用 |
賠償責任 |
死亡・ 後遺障害 |
治療費用 |
ゴールド会員 会費10500円 |
5,000万円 |
150万円 |
150万円 |
50万円 (免責金額3,000円) |
150万円 |
2,000万円 (免責金額1,000円) |
家族特約 対象者 |
2,000万円 |
ヴァン 会費3150円 |
3,000万円 |
100万円 |
100万円 |
20万円 (免責金額3,000円) |
100万円 |
ニューズ 会費1575円 |
2,000万円 |
50万円 |
50万円 |
15万円 (免責金額3,000円) |
Jizile 会費無料 |
1,000万円 |
30万円 |
30万円 |
10万円 (免責金額3,000円) |
50万円 |
1,000万円 (免責金額1,000円) |
このように担保項目によって補償される限度額が違います。
いくらゴールド会員で、最高5000万円までと記載があっても、それはあくまで傷害死亡・後遺障害の場合であり、携行品損害などは50万円までとなっています。
なので、あらかじめ自分のカードは各担保項目がいくらまで補償されるのか、きちんと把握しておくことが必要です。詳細は、入会後の「カードご利用のしおり」で確認できます。
カード入会案内に大きく書いてある最高○○万円までというのは、ほとんど傷害死亡・後遺障害の場合です。もし、クレジットカード入会前に格担保項目の補償額も知りたいのであれば、申込み前にカード会社へ問い合わせすることをおすすめします。
▼ クレジットカードの保険があれば海外旅行傷害保険に入らなくても平気か?
クレジットカードに付帯する海外旅行傷害保険というものは非常に便利です。たとえ年会費が少し高くても、海外旅行に行く際に保険に入らなくても済むのであれば、年に一度海外旅行に行けば年会費分はすぐに元を取れます。年に何度も海外旅行に行くような方であれば、高い会費を払っていてるとしても得になる計算になります。
非常に便利で心強い付帯サービスのクレジットカードの海外旅行傷害保険。カードがあれば、保険会社の保険なんて意味がないと思えますが、実はクレジットカードの保険には欠点があります。
海外旅行傷害保険を扱っている会社のサイトには、決まって以下のように書かれていることが多いです。
▼ 保険会社でよく見るフレーズ
【
クレジットカードがあるから大丈夫と考えていませんか?お持ちのカードをよくご確認ください。
ゴールドカードでなければ補償されなかったり、補償がついていてもすべての項目がカバーされて
いなかったりして万一の時に役に立たないことがあります。
「クレジットカードに付帯されている保険」の補償内容を補うためにも加入をおすすめいたします。】
全ての項目がカバーされていない場合があるとあります。これは本当なのでしょうか?
保険会社の内容とカードの付帯保険をよく比べると、クレジットカードの保険では疾病死亡の場合は担保されていないのに気が付くと思います。カード発行時にもらえる「ご利用のしおり」にも、疾病死亡(病気で死亡)は担保されませんと記載のあるクレジットカードがほとんどです。
海外旅行傷害保険を扱う会社はその辺を考え、基本プランである治療費用のほかの携行品損害や救援者費用は、オプションで着脱自由にしている会社もあります。クレジットカードで担保されない疾病死亡も、保険会社のオプションで付けることができます。また、さすが保険会社の商品だけあって、やはり補償額はクレジットカードよりも上です。
このようにクレジットカード付帯の海外旅行傷害保険は完璧ではありません。疾病死亡が付帯されていないクレジットカードの保険が不安な方や、手持ちのクレジットカードの補償金額では物足りない方は、保険会社の保険もあわせて加入することをオススメします。カードの保険で足りない部分を補うだけなので、保険代はカードを持っていない人に比べて安く済みます。
何が起こるか分からない海外旅行。海外旅行時には万一に備えて保険の事も考える必要があります。
しかし一番重要なのは、何事もないように気をつけて行動し、楽しい旅をすることだと思います。
▼ あなたのクレジットカードの保険は自動付帯ですか?
よくクレジットカードの案内書などには「海外旅行傷害保険は自動付帯します」などと記載があるものがあります。自動付帯のクレジットカードであれば、特に手続きなどをする必要もなく保険が付帯されるので便利です。
それとは逆に、自動付帯でないクレジットカードもあります。私はこれを勝手に
「条件付帯」と呼んでます(笑)。条件を満たさないと保険が付帯しないということです。
条件といってもそんなに難しいものではなく、旅行代金をクレジットカードで支払えば、保険が付帯するクレジットカードがほとんどです。なかには旅行代金の全額でなく、一部をカードで支払うだけでも保険が付帯するカードもあります。
旅費ではなくても、旅の過程で発生するタクシー代などをクレジットカードで支払えば付帯するタイプもあります。
ただ、なかには
事前にカード会社とやり取りをして、保険を申込まなければならないカードもあるので注意が必要です。
これから海外旅行傷害保険も考慮に入れてカードを作ろうという場合は、そのクレジットカードの保険が自動付帯なのか条件付帯なのか確認することが重要です。
もし案内書やカード会社のホームページなどで分からなければ、カード会社に問い合わせ(メールでもOKです)をすれば教えてもらえます。